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2006年 11月 14日
朝9時半から、Departmentのファカルティーによるジャーナルクラブに出席。今日は線虫のVの担当で、論争を巻き起こしてきた“oocyte stem cell”に関するオーバービュー。いや〜、昨日の「Borat」よりも大分おもしろかった(笑)。
2004年、HarvardのJonathan Tillyのグループにより“oocyte stem cell”の存在の可能性が初めて報告された。これはすなわち、「ほ乳動物の卵子の数は初めから決まっていて二度と増えない」、という歴史的概念に真っ向から挑戦するものであった。さらに同グループは翌年、「このoocyte stem cellのソースは骨髄にある」という、驚くべき結果を報告した。余談だけど、「姉の骨髄を移植した妹がその後子供を産んだ」という実例があるらしく、もしこのTillyらの報告が本当ならば、その子供が実は姉の子供だった可能性が出てくるわけである。 論争は過熱した。Wild-type ovaryをGFP発現マウスに移植するとGFP-positiveなoocyteを作るようになる、という結果に対しては、「oocyteが周りのGFPを吸い込んでいるだけなのでは?」などという議論(難癖?)まで提出されるに至った。そしてついに今年、同じくHarvardのAmy Wagersのグループから、この論争にほぼ終止符を打つような素晴らしい仕事が報告された。 Wagersらのグループは、“parabiosis”と呼ばれる技術(2匹のマウスを外科的につなげるとそれらは2〜3日のうちに循環系をシェアするようになる!)を用いて、骨髄由来の細胞がoocyteを作ることが可能かどうかを検証した。すなわち、循環系を共有させることにより、GFP-positiveマウス由来の骨髄がGFP-negativeマウスのovaryにoocyteを供給できるかどうかを調べたわけである。結果は・・大方の予想通り完全にネガティブだった。血流によって偶然ovaryに辿り着いた骨髄細胞でさえも、きちんと血球系にコミットしていた。生殖系のマーカーでは染色しないというあたりにちょっとpoliticsを感じたが、一連のデータは極めてconvincing。まさに圧巻だった。しかし、結果がポジティブでもネガティブでもNature paperになるであろうこのプロジェクトを指揮したWagersという人、頭いいなぁと思った。
by maplefly
| 2006-11-14 23:59
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