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2006年 02月 03日
今日、韓国系アメリカ人ポスドクSKと、「どちらの研究スタイルを好むか?」という議論になった(SKのディスカッション好きは、映画だけではない)。もちろん、研究遂行上の各局面においてこれらはいずれも必須の要素ではあるが、ここでは研究ストラテジーを大局的に見た場合のことをいっている。つまり、「この生命現象にはこういうメカニズムが存在するはずだ」と初めから仮説を立ててそれを証明するための実験を組むのが“hypothesis-driven”。一方、偶然見いだしたある興味深い生命現象について、「なぜそんなことが起きるのか」を明らかにするのを、ここでは“evidence-based”と呼ぶ。おそらく、利根川先生の「抗体の多様性」やギュンター・ブローベルの「シグナル仮説」などが前者の代表例だろうし(いずれもノーベル賞を単独受賞)、竹市先生の「カドヘリンの発見」は後者の典型的な例だろう。
SKは“hypothesis-driven”を支持するので、僕は“evidence-based”を支持することにした。そうしないと議論にならないからだ。SKは、大いなる仮説を立ててそれを証明できた時が科学者にとって至福の時だ、と言い張る。それこそが真のサイエンスだ、と。そして、現象の発見を“偶然”に頼るのは、科学者としてのポリシーがないと主張する。だから、genetic screenなどは単なる偶然に頼った方法であって、“あまり頭を使っていない”と言わざるを得ないのだ(別にgenetisistに喧嘩を売っているわけではなく、彼は単に議論したいだけである)。まあ、言ってることはよく分かるが、genetic screen命の僕としては反論せずにはいられない。まず、人間の立てられる仮説には限界があり、生命の神秘はそれを遥かに凌駕しているはずだ。実際に生き物を観察し、そこに全く予想もしなかった驚くべき事実を見つけた時こそが科学者にとって至福の時だ、と。当然、その事実を発見できるかどうかは、その科学者のセンスと実力にかかっているのだ。 2人とも、「どちらも大切」ということは分かっていながら、なんとかして相手を言い負かすために主張し合っているだけ。もしお互いが引き下がらなければ決して議論は終らないので、最後はお互いがお互いの主張の良い部分を認めて終了。まあ、ゲームみたいなものだ。しかし、SKが一つおもしろいことを言った。過去に偶然発見された数々の重要な現象は、実は生物の進化と照らし合わせて考えれば全て前もって予想できたのだ、と。「じゃあリボザイムも進化で予想できたか?」と聞くと、「勿論だ」と答えた。ちょっと納得しかねる部分もあったが、確かにおもしろい観点ではあった。 (議論の続きは明日) ■
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by maplefly
| 2006-02-03 23:15
| 研究/日常
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