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2007年 07月 17日
スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」(村上春樹・訳)を読了。昔から読みたかった本なのだけど、今までなぜか思い切れなかった。しかし、ついに村上春樹がこれを翻訳してしまったので、先日の一時帰国の際に満を持して手に入れてきた。
率直に、すごく面白かった。「大して面白くない」という評判をわりと多く耳にしてきたので、正直自分がどう感じるのか興味があった。実際には、中盤辺りからものすごくのめり込んでしまい、後半のドラスティックな展開には思わず唸らされた。ギャツビーの一つ一つの行動はある意味本当にかわいらしくて可笑しく、同時に救いようもなく可哀想で切ない。人生の原理なんて実はそんなものなんだろうと思うと、悲しくなる。彼のことを本当に理解したのは、主人公である“僕”だけだったのだと思う。フィッツジェラルドがこの小説のタイトルを「グレート・ギャツビー」としたところが、本当に素晴らしいと思った。ギャツビーはそれによって救われたんじゃないかという気さえした。 村上春樹がこの本をお手本にしていると公言しているのは有名だが、それは読んでいてもよく分かった。情景の細かな描写法や比喩のしかたなどはまさに。主人公の“僕”にしても、もし彼がそのまま春樹の小説にこっそり現れて主人公とすり替わったとしても、絶対に誰も気づかないと思う。そんなキャラなのだ。彼だけが、ギャツビーの中にあった「偉大さ」を静かに理解したのだ。 春樹はあとがきの中で「翻訳には全力をつくした」と述べた上で、「それでもこの小説の本当の素晴らしさはオリジナルを読むことでしか解らない」と明言する。「グレート・ギャツビー」についてはこれまで何度か日本語に翻訳されてきたが、春樹は一読者として、これまでの訳はどうしても彼のもつ印象とは異なるものだったと言う。本書は、オリジナルを忠実に訳すことに徹底した努力が払われたのと同時に、春樹自身の「グレート・ギャツビー」の解釈を密かに兼ね備えた内容になっている。 難解らしいけど、フィッツジェラルド自身の文章にも挑戦してみたくなった。。
by maplefly
| 2007-07-17 23:59
| 研究/日常
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