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2006年 07月 25日
今やハエgrowth研究の中心的存在となったHippo signaling pathway。ここ数年で同定された一連のtissue growth変異体の原因遺伝子が、面白いように一つのpathway上に乗っかったのだ。この研究は、2003年のHippo (MST kinase) の同定を境に一気に加速した。その後2005年にMats、Yorkieが順に報告され、Hippo→Salvador→Warts/Lats-Mats→Yorkieというシグナル経路が細胞増殖と細胞死を同時に制御することによりtissue growthを調節する、という図式が(無理矢理?)完成した。コンポーネントが一つ見つかるたびにCellに載るといった、変な決まり事のようなサイクルがしばらく続いた。
このHippo pathwayの上流シグナルは長らく不明であったが、昨年暮れにテキサスのGeorg Halderのグループが、Merlin、Expandedといった細胞骨格タンパクがその上流に位置することを報告した。このNCB paper、凄い仕事量で気持ちもよく分かるのだが、pathwayの上流にあることを直接的に示すデータは実はたったの一つ。しかもそれも十分条件ではなく、僕としては全くconvinceされなかった(現象自体は面白かったけど)。もちろん、発生過程の細胞増殖/細胞死がたった一つのリニアな経路によって制御されているはずもないのだけど。 さて、今日付けのCurrent Biologyに、Hippo pathwayの上流にp53が存在することが報告された。かつてSalvadorを同定した、ロンドンのNic Taponのグループから。 Colombani J, Polesello C, Josue F, Tapon N. Dmp53 activates the hippo pathway to promote cell death in response to DNA damage. Curr Biol. 2006 Jul 25;16(14):1453-8. 面白いのだけど、確実なのはγ線照射によりp53依存的にHippoのリン酸化(=活性化)が起こるということのみ。あと、このHippoのリン酸化が、p53の過剰発現のみによっても引き起こされるということ。それ以外の一連のgeneticsのデータは、生化学に比べると結構弱かった。例えば、hippoの変異クローンを作ってやればDIAP1のレベルが上昇するわけだから、このクローン内でγ線照射、あるいはp53依存性の細胞死が抑制されるのは当然である。つまり、この結果からHippoが下流にあることは主張できない(してるけど・・)。確かに現段階で核心に迫るのはテクニカルに難しいことは分かってるけど、ここら辺を研究している人達には是非そこのところを突破して欲しいところ。そうなると、本当に凄い仕事になると思う。しかしこのCB論文、featured articleにまで選ばれたけど、一体どういう人達が選んでいるのだろうか・・。
by maplefly
| 2006-07-25 23:03
| 論文
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