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2006年 07月 02日
いい映画を2本も観られた、とても素晴らしい週末だった。
まずは、先日ふと思い出して無性に観たくなってしまった「Under the Tuscan Sun(邦題:トスカーナの休日)」。フランシス・メイズの同題ベストセラー小説をオードリー・ウェルズが監督/製作/脚本した作品。突然の離婚で家まで失った女性作家フランシス・メイズ(ダイアン・レイン)が、イタリア・トスカーナでの旅の途中で運命に導かれたように家を衝動買いする。そんな行為を一度はとても後悔するものの、ある人の一言により、運命の流れに身を任せてその土地で生きていくことを受け入れる。彼女と周りの人々との触れ合いを通して、人を幸せにするものはやはり人なんだという当たり前のことを思い知らされる。家の修理が終わるあたりからは、観ていてなぜか胸がいっぱいになってしまう。これは女性が撮ったんだろうな、とすぐに分かるような(女性向きの?)映画で、これを好きだと言ってる自分がちょっと気持ち悪いんだけど、でも、どのシーンも音楽も本当によくて何度も観たくなる映画だ。 この映画を観てトスカーナワインを無性に飲みたくなってしまい、郊外のワイン屋でテラビアンカの「カンパッチオ」2001年をゲットしてきた。すごく美味しそうだったので飯も食べずに飲み始めたら、本当にめちゃくちゃ美味しかった。 週末に観たもう一つの映画は、rbhhさんのブログでその存在を初めて知ったハル・ハートリーの「Trust(邦題:トラスト・ミー)」。観終わった後の正直な感想は、「これ、自分で発見したかった・・すごく悔しい!」。rbhhさん以外にも「これがダントツに好き」という映画好きな方もいるようで、そういうのを先に知ってしまっていたから、この映画を好きになるのがちょっと悔しい気分。すぐに2回目を観てそれで確信したんだけど、この映画は観れば観るほど好きになってしまう。世間に知られていないのは、多分この低予算映画に「a slightly twisted comedy」なんていうワケの分からないキャッチフレーズがつけられたからだと思う。そんな宣伝文句とあらすじを読んだだけだったら、絶対に自分では観なかっただろうから。登場人物一人一人のセリフがすごくはっきりしていて、音楽もきわめてシンプル。なんか、演劇でも観ているような錯覚にさえ陥る。社会の落ちこぼれ的な境遇のマリアとマシューが限りなく魅力的に見えるのは、彼らの心がむしろ社会を凌駕しているからだろう。心に響くシーンやセリフがたくさんあってちょっと書ききれないけど、なぜか今でも頭の中に鳴り響いているのは、最後にマリアがマシューを見送る時に流れる音楽。眼鏡をかけて道路のド真ん中に立ちすくむマリアの姿は、ちょっと印象的過ぎた。「Under the Tuscan Sun」とは逆に、男の立場からの心境がすごくよく描かれている映画だと思った。他のハートリー作品をすごく観たくなった。 (rbhhさんの「Trust」に関する記事はこちら)
by maplefly
| 2006-07-02 23:40
| 映画
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