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2006年 02月 13日
先日ボスのトークについて書いてて思い出したので、メモしておくことにした。去年のHHMI Science Meetingに参加した時のことである。
HHMI Science Meetingというのは、HHMI (Howard Hughes Medical Institute) 研究者が年に一度、メリーランド州にある本部のHHMIに一同に会して行われるミーティングのことである。3日間にわたって、約30人のHHMI研究者によるトークが行われる。完全にクローズドではあるが、文字通り世界最高峰のミーティングと言っていいだろう。各HHMI研究者は、自分のラボの学生あるいはポスドクを毎回一人だけミーティングに連れて来ることができる。昨年は、うちのボスが僕を選んでくれたというわけだ。 ちなみに現在、HHMI研究者は全米で300人ちょっと。HHMIのグラントを獲得する(つまりHHMI Investigatorになる)ということは、莫大な研究費の獲得のみならず、一種のステータスでもある。つまり、その研究分野において世界の第一人者であることを公に証明されるようなものなのだ。もちろん、これは“概して”そうであるだけで、HHMIグラントを獲得していなくても同等レベル、あるいはそれ以上に優れた研究者はたくさんいるだろう(多分そういう人たちはそのうち獲得するんだろうけど)。また、その逆もあるかもしれない(うちのボス、大丈夫かな?)。このグラントは5年契約であり、更新をパスできなければそこで終ってしまう。このリニューアルは、その5年間にpublishされた5つの論文で審査される。つまり、彼らにしてみれば年に一報の割合でトップジャーナルに論文を掲載しておけば安心というわけだ。もちろん、雑誌名ではなくて内容が肝心であることは言うまでもないが。ミーティングには、実はこのリニューアルのためのトークも含まれている。ミーティングへの参加は、指名されたスピーカー以外は義務ではなく、だいたい全体の1/3くらいの人が参加しているようだ。 HHMI研究者たちはHHMI敷地内にある宿泊施設(もちろん超豪華)に泊まるのだが、僕たち下っ端は近くの高級ホテルに宿泊させられる。シャトルバスでHHMIに連れて行かれてまず驚いた。広い敷地内には森のような自然が再現されていて、なんと鹿まで走っている。アメリカの大富豪(ハワード・ヒューズ)はやはりスケールが違う。敷地の中心にあるミーティング会場も、当然ながら豪華絢爛。一人一人に社長椅子と社長机が付く。会場は立体的な構造になっているので、どこの席に座っても、前の人が邪魔でスクリーンが見えないなんてことはありえない。そして、周りの参加者を見渡すと、ノーベル賞受賞者やら各分野の超大御所やらがごろごろ。思わずミーハーになって、キョロキョロと顔とネームカードを見回してしまう。こんな中では、うちのボスも小さく見えてしまう。残念ながらMITの利根川先生やテキサスの柳沢先生は参加されていなかった。 さて、スピーカーの最初の何人かはリニューアルのためのトークであり、いわば面接のようなもの。あんなに凄い人たちが、なんと緊張しているのが分かった。こちらまでが聞いてて緊張してきた。しかし、彼らのトークは本当に凄まじかった。内容が凄いのは当然のこととして、発表時間の正確さも尋常でなかった。いずれの発表においても、20分の発表時間が終わって最後の一語を口にした直後に鐘が鳴った。そう、決して短くも長くもなく、皆20分00秒で終了するのだ。ある人は、最後の一言と同時に右手を軽く上に挙げた。そして、その動作は鐘の音と完全に一致したのだ。まるで指揮者を見ているみたいで、思わず(サイエンス以外のところで)感動してしまった。リニューアル・トークが終わると、後はリラックスした雰囲気の中、しかし依然として超圧倒的なトークが続き、終始ドキドキしながら話を聞いた。 この手のミーティングでは当然のことだろうが、他の研究者との交流というのも大きな目的の一つである。したがって、トークの合間には、トークの時間よりも長いくらいの社交タイムが用意されている。もちろん、豪華な食べ物・飲み物が付いてくる。しかし、英語も大して話せない日本人にとって、こういうのはかなりキツイ(ちなみに、日本人は会場に僕一人だけだった)。最初は一人で食べて飲んでして時間を潰していたが、これもやはりキツイ。周りの学生やポスドクたちを見ていると、皆積極的に人に話しかけてちゃんと社交している。これができなければアメリカでは生きてはいけない、と自分に言い聞かせ、思い切ってまずは近くのポスドクに声をかけてみた。ネタが続くか心配だったが、話し始めてみると意外と全く問題なかった。そう、みんな話し相手を求めているのだ。これでちょっと吹っ切れて、ポスドク・学生連中とは初対面でも話できるようになってきた。ある中国人ポスドクと話をしていたら、彼女はアメリカに来る前は東大の廣川研にいたらしく、英語よりも日本語の方が話せると言って日本語を喋り始めたのには笑った(・・しかし、後で彼女のボスのトークで彼女のNatureの仕事が紹介された時には少しヘコんだ・・)。 (続きはまた明日にでも)
by maplefly
| 2006-02-13 23:21
| 研究/日常
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